ごあいさつ
皆様、この度、第38回神奈川母性衛生学会学術集会の大会長を拝命いたしました昭和大学助産学専攻科/うみかぜ助産院の上田邦枝でございます。
本学会のテーマは「ライフステージ全てを支えるウィメンズヘルス-ともに輝き健康に生きる社会をめざしてー」であり、このテーマは、女性の健康が社会全体の健康に直結しているという考え方を示しています。
女性の健康は、単に個々の女性だけでなく、家族、コミュニティ、そして社会全体に影響を与えます。つまり、私どもは、女性自身が健康へのセルフケアし、人生を主体的にプロデュースしていく能力を高めることをめざしており、これは、女性が自分自身の健康に対する責任を果たすだけでなく、家族やコミュニティ、社会の健康にも大きく貢献することを意味しています。全ての女性が自分自身と向き合い、健康をもとに人生を自分らしく主導することができる社会、それこそが輝き続けることができる「未来」であると考えます。
そのためには、支援する私どもがより女性の健康に対する理解を深め、健康を管理するための知識とスキルを身につけることが重要です。
女性のライフステージ全てを支える援助者として、以下のような取り組みを進めていくことが求められていると考察します。
教育と啓発としては、病院で対象者をお待ちするではなく、女性の健康に関する知識を広めるための教育プログラムや啓発活動を地域や社会に向けて行うことが必要です。これには、早期からの段階別包括的性教育やプレコンセプションケア、ライフステージ各期の集団健康教育があり、その他、栄養、運動、メンタルヘルスなど、女性の健康に影響を与える多くの要素が含まれます。予防とスクリーニングでは、疾病予防と早期発見が重要であることをより社会に発信し、定期的な健康チェックとスクリーニングを看護職ができるよう、また推奨するための新たな方策の提言が重要です。個別対応のケアとしては、女性一人ひとりのニーズに対応し、コンサルテーションができる場やコミュニティ、人材育成が求められ、ライフステージ各期の個人のライフスキルを高めていくことも医療者が介入出来うる健康支援であるといえ、今後は個々に応じたオーダーメイドの健康支援サポートが求められます。さらに、研究と開発としては、 女性の健康に関する最新の研究を追究し、その知識を実践に活かしながら、新たなケア方法や技術開発、企業との連携のもとに機器や商品開発に取り組んでいくことも使命であると感じています。コミュニティとの連携では、地域の医療機関、教育機関、社会福祉機関との多職種連携をより包括的に活発化致します。前述のように、企業とのコラボレーションによる、女性の健康を支えるネットワークを構築しながら社会への貢献度を高め、政策的にも健康支援に取り組むことができる社会づくりをめざすことが必要不可欠であると思います。
つまり、ウィメンズヘルス支援を担う私どもが主体的にネットワークづくりを行い、そのような活動行っていくことが、今後の健康的な地域・社会の構築を支える土台となると考えられるのです。
この大会を通じて、最新の知識と支援を行うための効果的なスキル、新たなアイデアや研究成果をもとにした斬新で発展的な援助、AIなどの活用を含めた看護・助産診断や予測、看護や助産という医療から発信する政策提案など、今後の新しい社会に向けて看護・医療界から、今までにない活動の可能性を共有できることを期待しております。
是非ご一緒に、横浜から女性の健康を、ライフステージ各期全てで支え、ともに輝き健康に生きる社会の実現めざしてまいりましょう。
皆様のご参加、心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。
第38回 神奈川母性衛生学会学術集会
学術集会会長 上田 邦枝
(昭和大学助産学専攻科 教授、うみかぜ助産院 院長)