情報・広報・啓発委員会より

日本循環器学会関東甲信越支部主催
第8回心肺蘇生法市民公開講座開催報告

2025年11月16日(日)、日本循環器学会関東甲信越支部主催(会長:自治医科大学附属さいたま医療センター 総合医学第1講座循環器内科主任教授 藤田英雄)による第8回心肺蘇生法市民公開講座を開催いたしました。昨年の神奈川県に続き、本年度は初めて埼玉県・大宮ソニックシティにて実施し、「あなたの行動が命を救う」をテーマに、特別講演2題と心肺蘇生法の実技実習を行いました。

わが国では、年間約6~8万人、1日あたり約200人が心臓突然死で亡くなっています。突然の心肺停止に遭遇した際、その場に居合わせた市民による早期のCPR(心肺蘇生法)とAED(自動体外式除細動器)使用が、救命率および社会復帰率を大きく左右することが多くのデータで示されています。 2004年にAEDの一般市民使用が認められて以降、使用例は増加し、2019年には一般市民による使用件数は2,102件に達しました。また、心原性心肺停止症例においてAEDが使用された場合の1か月後生存率は53.5%であり、未使用例(11.4%)と比較して約4.7倍高いことが報告されています。本講座のテーマには、「市民一人ひとりが『命の鎖』の重要な最初の役割を担う」というメッセージを込めました。

■ 特別講演
1人目のご講演は、埼玉県MC協議会副会長・さいたま赤十字病院院長 清田和也先生 による「心肺蘇生とAEDの実践」でした。市民による初期心肺蘇生の意義を、平易かつ具体的にご解説いただきました。2人目は、とげぬき地蔵尊高岩寺住職・医師/東北福祉大学客員教授 来馬明規先生 による「歌って踊って救急救命」のご講演でした。禁煙の重要性やAEDの実際について、映像や踊りを交えながら楽しくわかりやすくお話しいただき、会場全体が一体となる貴重な時間となりました。

■ 実技実習
特別講演に続き、獨協医科大学の 菊地研先生 をリーダーとする17名の熟練インストラクターの皆様の指導のもと、胸骨圧迫とAED使用の実技訓練を行いました。3〜4名に1名のインストラクターが付き、胸骨圧迫用モデルとAEDを1台ずつ使用しながら、参加者は真剣かつ熱心に取り組まれていました。 最後には希望者による「CPRレース」を実施し、胸骨圧迫の質を競い合う形で会場を盛り上げました。

■総括
事前登録63名、最終参加者45名にご参加いただき、本講座は盛会裏に終了いたしました。 本講座の開催にあたり、ご講演を賜りました清田先生、来馬先生、菊池先生、座長をお務めいただいた足立健先生、阿古潤哉先生、インストラクターの皆様、共催・協力団体、協賛企業、事務局の皆様に、心より御礼申し上げます。
そして何より、ご参加いただいた市民の皆様に深く感謝申し上げます。
本公開講座が、心臓突然死を一例でも減らし、救命率・社会復帰率の向上に寄与することを切に願い、ここに開催報告とさせていただきます。

2025年12月吉日

日本循環器学会関東甲信越支部主催
日本循環器協会/日本AED財団共催
 埼玉県後援
第8回心肺蘇生法 市民公開講座
自治医科大学附属さいたま医療センター 総合医学第1講座循環器内科主任教授
藤田 英雄

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