第280回 日本循環器学会関東甲信越地方会 プログラム
第280回日本循環器学会関東甲信越地方会を終えて(報告)
2026年6月28日(土)、第280回日本循環器学会関東甲信越地方会を開催し、会長を務めさせていただきました。今回は「次世代に繋ぐ循環器診療」をテーマに掲げ、現地およびWebをあわせて1,739名(現地参加1,062名Web参加は677名)の皆様にご参加いただきました。オンラインだけではなく現地にも関東甲信越地域の多くの先生方にご参加いただき、賑やかな会になりましたことを大変ありがたく存じます。
一般演題には107題のご応募をいただき、各会場で臨床、研究、教育に関する活発な発表と討論が行われました。若手の先生方、指導医の先生方をはじめ、多くの皆様のご協力により、本地方会らしい熱意ある学術交流の場となりました。
今回の地方会では、循環器診療の持続可能性と次世代育成を重要な柱とし、従来の臨床的知見に加えて、今後の循環器医療に不可欠となる多角的なテーマを取り上げました。教育セッションⅠでは、日本循環器学会・日本脳卒中学会・日本救急医学会ジョイントセッションとして「気候変動と救急医療を考える」を開催し、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学の橋爪真弘先生にご講演いただきました。気候変動が救急医療および循環器診療に及ぼす影響について、今後の医療体制を考えるうえで極めて示唆に富む内容となりました。
また、健康の社会的決定要因、すなわちSDOHへのアプローチをテーマとしたセッションでは、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻社会疫学分の近藤尚己先生に、「社会的処方:臨床におけるSDOHへの対応とその効果」についてご講演いただきました。疾患のみならず、患者さんの生活背景や社会的要因を含めて診ることの重要性を、循環器診療の文脈で改めて考える貴重な機会となりました。
さらに、ダイバーシティフォーラムでは、「Girls be ambitious! ― 女性リーダーが牽引する循環器医療の新時代
―」をテーマに、参議院議員・医師である自見はなこ先生よりビデオメッセージを頂戴し、続いて白河桃子先生に特別講演をお願いしました。循環器領域では、依然として男性医師の比率が高く、長時間労働や救急対応を前提とした組織文化が残るなか、女性医師を含む多様な人材が力を発揮できる環境づくりは、今後の循環器医療の持続可能性に直結する重要な課題であると感じております。本フォーラムを通じて、次世代の循環器医療を担う人材育成と組織文化の在り方について、多くの示唆を得ることができました。
同時開催されたサマースクールにも、関東甲信越地域の若手の先生方に多数ご参加いただきました。地方会の大きな意義は、地域の先生方と若手医師、医学生、研修医が顔の見える距離で集い、直接語り合える点にあります。今回のサマースクールが、若い世代の先生方に循環器診療の魅力と奥深さを感じていただく機会となり、「次世代に繋ぐ循環器診療」という本地方会のテーマにふさわしい役割を果たすことができたものと安堵しております。
また、地方会あり方検討委員会企画セッションとして、プロモーションビデオコンペティションも開催されました。地方会の魅力をどのように発信し、次世代の参加につなげていくかを考えるうえで、従来の枠にとらわれない新しい試みとなりました。
第280回という節目の地方会を、初めての女性会長として担当させていただいたことは、大変光栄であると同時に、大きな責任を感じる機会でもありました。本地方会が、循環器診療の未来を考え、次世代へ確かなバトンを渡すための一助となりましたならば、会長としてこれに勝る喜びはありません。
最後になりますが、今期でご退任される支部長の東邦大学医療センター大森病院
循環器内科池田隆徳先生をはじめ本地方会の企画・運営にご尽力いただきました先生方、座長・演者・審査員の先生方、共催・協賛いただきました企業の皆様、運営を支えてくださいました関係者の皆様、そしてご参加いただきましたすべての皆様に、心より御礼申し上げます。
第280回日本循環器学会関東甲信越地方会
会長 塚田(哲翁)弥生
(日本医科大学武蔵小杉病院 救急・総合診療センター 総合診療科/
日本医科大学 総合医療・健康科学)


