情報・広報・啓発委員会より

第273回 日本循環器学会関東甲信越地方 プログラム

プログラム(PDF)

第273回 日本循環器学会関東甲信越地方会の報告

 初秋とは言い難い残暑のなか、1069名もの多くの先生方にご参加いただきました。今回のテーマは、「深根固柢(しんこんこてい)の循環器学―今こそ足元を固め明日を狙う」としました。昨今の循環器診療の進歩は目覚ましく、カテーテルやデバイスなどによる治療対象は拡大し、結果として現場は細分化が進んでいます。一方で、診療アウトカムとして全人的な標的も求められるようになり、高度技能専門医であってもgeneral cardiologistとしての要求は高まっています。この両極を志向すべき今こそ、かの戦略家「老子」曰く「根(ね)を深くし柢(てい)を固くす」、すなわち、基礎をしっかり固め、ゆるがぬ知力と技術を身につけねばなりません。
 そこで、本会では実地臨床の狭間に潜む論点を深掘りするセッションを意識的に企画しました。レジェンド先生方のメッセージを受け過去から未来を展望し、積年の課題であるベッドサイド心腎連関を症例ベースに掘り下げ、会長教育講演としても心不全診療を総括するなど、新たなプログラム構成にも挑戦いたしました。学会には、How-toを学ぶ実用的役割もありますが、自らを見つめ直しあらためて背筋を伸ばす精神的効果もあると思います。そのような感傷に浸りながら、今どきの循環器診療全体を俯瞰する1日となりました。なお、今回は4会場1フロア、予算規模も圧縮させる実験的な運営を試みました。絞って絞って結果的に内容がどうであったかご査定のうえ、今後の在り方をご議論くだされば幸いです。
 最後になりますが、素晴らしい企画・運営にご参画くださった多くの先生方、運営をお任せしたビジョンブリッジさん、そして、準備から最善を尽くしてくれた大切なわが医局員、新潟の多くの関連病院先生方に、心から感謝いたします。
 ありがとうございました。

会長 猪又孝元
事務局長 池上龍太郎
新潟大学大学院医歯学総合研究科 循環器内科学

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