第256回 日本循環器学会関東甲信越地方会報告
第256回地方会は当初6月6日に会場開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染のために7月24日に日程を延期することを4月初旬に決定しました。しかしながら感染の収束どころか、5月下旬の緊急事態宣言解除後からしばらくすると新規患者数が再上昇に転じたために、小室支部長と相談させて頂いたうえで地方会としては初めての試みであるweb開催に変更することを6月初旬に決断しました。私どもはwebを使用した小規模な会議や大学の授業の経験しか持ち合わせていなかったために、サポート企業である日本コンベンションサービスと頭を寄せ合って地方会の開催形態・収録の進め方、会員・参加者への周知の方法について綿密に打ち合せを行いました。8月に延期となった他の大規模全国学術集会の開催形態を大いに参考にして、7月20日から26日までの1週間のon demand型配信を行うことに決めました。7月27日から本会のweb配信が開始されることになっていたために、日程が重複しないようにも配慮しました。開催形態を決めることができたものの、果たして皆さんが視聴して頂けるだろうかという一抹の不安を拭いきれませんでした。配信の安定性を考慮してライブ配信は取りやめ、すべて事前収録を行う方針と致しました。Web配信を早めに決断したために事前収録の日程調整は滞りなく進み、一般演題を除いて収録はすべて完了することができました。共催セミナーは5社から申し込みがありましたが、いずれの会社もweb開催を前向きに捉えて頂き、各社それぞれの収録方法で多くの聴講アクセスを得ることができたようです。教育セッションは、東大心臓外科と循環器内科が協力して特に力を注いでいる重症心不全とゲノム診療をテーマとして掲げました。Awardセッションの審査については、今回は座長も審査委員として参画頂き、滞りなく表彰者を選ぶことができました。しかし残念なことに、地方会の恒例となっている終了後の懇親会での指導医との盛り上がりのone-shotを撮ることはできませんでした。収録容量の制限等があり、一般演題の先生方には発表スライドの提出をもって参加発表とさせて頂きました。聴衆の前で発表することを心待ちにしていた多くの若手の先生方には大変に申し訳なく思っています。初めてのweb学会となった今回、突貫工事で開催準備を進めて参りました。十分に行き届かなかった点は少なからずありましたが、今後の課題として生かすことができれば幸いです。事前応募演題110題で実際にスライド登録を行った方が92題(Award 16題、一般演題76題)でした。皆様方の暖かい応援のお蔭をもって、視聴登録者数は1848名となりました。この場を借りて、発表者の先生方、座長や審査を行って頂いた先生方ならびに参加者の皆様に心より御礼を申し上げます。
東京大学心臓外科
小野 稔