第255回 日本循環器学会関東甲信越地方会報告
2020年2月22日(土)、ステーションコンファレンス東京において、第255回日本循環器学会関東甲信越地方会(会長:自治医科大学附属さいたま医療センター 循環器内科 藤田英雄)が開催されました。
折しも新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の市中感染例の散発が報告され、3月中旬に予定されていた第84回日本循環器学会学術総会の延期の決定が前日になされた中で、本会は学会規模など総合判断で予定通りに開催いたしました。ご参集頂きました会員の皆様方には大変感謝をしております。演題数も一般演題とAwardセッションをあわせ、108演題という比較的多くの発表をいただきました。
今回の地方会においては、従来のAwardセッション、9つの教育セッション、研修医セミナーに加えて、成人先天性心疾患セッションおよびプレホスピタル循環器救急医療とICTという特別セッションも企画し、後者では木村一雄先生、一色高明先生、佐藤直樹先生に学会および医療・行政からの新たな方向性について、また初めて総務省の官職の方に国の政策の方向性についてご講演いただく機会を設けました。研修医セミナーでは、中堅世代に中心となって企画していただいた結果、百人会議システムも使用した「急性冠症候群」「心不全と肺高血圧」の2大領域にまたがった、理論と実践について大変教育的なプログラムとして提供することができました。教育セッションも虚血・心不全・不整脈の各専門領域のみならず、消化器内科・腎臓内科の学際領域にもセッションを設けました。
全体的に若手の会員の先生方にも多く座長をお務めいただき、一般演題も含めて活発なdiscussionが行われました。Awardセッションもレベルの高い演題が競い合い、学生を含む多くの若手医師が表彰され、次世代の循環器を担う人材をencourageするよい機会になりました。コロナウィルスによって会合の自粛要請が打ち出される前夜でありながら2月としては900人という比較的多くの会員のご参集をいただき、盛会裡に終了することができました。本会の開催にご尽力いただいた諸先生方、企業の方々、事務局の方々に厚く感謝申し上げます。
自治医科大学附属さいたま医療センター 循環器内科
藤田 英雄