第248回 日本循環器学会関東甲信越地方会報告
2018年6月9日(土)、ステーションカンファレンス東京において、第248回 日本循環器学会関東甲信越地方会(会長:東京女子医科大学 循環器内科 萩原誠久)が開催された。
今回の地方会における新しい試みとしては、1)すべてのセッションの座長を女性医師と男性医師とで構成したこと、2)日本医師会生涯教育制度学習単位を取得できる企画として、日本循環器学会・日本循環心身医学会ジョイントワークショップ(循環器疾患患者のうつのケア:このケースはどのように対応する?)、および、2つの実地医家のためのエキスパートシンポジウム(循環器疾患における糖尿病のトータルマネジメントを考える-基礎から臨床へ-、およびPCI/PPI後の抗血栓療法について)を開催したことが挙げられる。
実際の循環器臨床現場においても、女性医師の果たす役割は確実に大きくなっているが、女性・男性ペアの座長を組むことで、発表に対してのコメントなどからも女性・男性で、いろいろな意味において視点の違いがあることがうかがわれ、議論の活性化の一助となった印象がある。今後、学会活動の場においても、女性の活躍の場がますます増えてくる可能性を感じさせるものとなった。
また、朝一番の一般演題の会場から多くの参加者を認めていたこととともに、共催セッションの会場にも多数の参加者が来場された。日本循環器学会・日本循環心身医学会ジョイントワークショップにおいては、医師のみならず多くのメディカルスタッフが参加しており、うつをもつ循環器患者への関わり方において医療従事者間のコミュニケーションが大切であることについて、活発な議論がなされた。また、循環器疾患と密接な関係がある糖尿病については、基礎から最新の臨床データ・治療戦略が紹介された。PCI/PPI後の抗血栓療法は、開業の医師にとってもどのように行っていくべきか悩ましいところでもあるが、具体的な症例への対応など含めた実践的な内容の発表がなされた。
最終的な参加人数は1400名と過去最高の参加者となり、盛会のうちに会を終了することができた。この度の関東甲信越地方会にご協力いただいた、諸先生方、企業の方々、事務局の方々には、改めて御礼を申し上げたい。
東京女子医科大学 循環器内科
萩原 誠久