第39回日本母乳哺育学会学術集会

The 39th Annual Meeting of the Japanese Society for Breastfeeding Research

会長挨拶

会長写真

第39回日本母乳哺育学会学術集会

田中奈美

(社会医療法人若竹会つくばセントラル病院 産婦人科上席部長)

 この度は、第39回日本母乳哺育学会学術集会をつくば国際会議場で開催することとなりました。会長を務めさせていただきます、社会医療法人若竹会つくばセントラル病院産婦人科上席部長の田中奈美と申します。
 今回のテーマは「つながる支援、広がる未来〜母乳育児を全方位から見つめる〜」と致しました。母乳育児は女性と子どもの大切な権利ですが、日本では「出る・出ない」のように、あたかも女性の能力のみにゆだねられているかのように語られることが少なくありません。また、どのような栄養法で育てるのかを女性とその家族が自己決定できるような、適切な情報や教育が充実しているとは言えません。母乳で育てたいと思った時に、スムーズに軌道に乗り継続するためには、医療や地域、社会の仕組みやサポートが不可欠です。少子化が加速する日本の母乳育児の現状について迫り、医療、地域、社会に必要なサポートについて今一度見つめ直す機会となることを願い、このようなテーマといたしました。
 特別講演では、睡眠研究の第一人者である、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 機構長の柳沢正史先生に、周産期の親子の睡眠の謎に迫ってご講演いただきます。睡眠研究の最先端に触れる貴重な機会になるかと存じます。教育講演では、筑波大学社会学系准教授の松島みどり先生に、母子保健の国際動向にも触れながら、医療経済学や健康の社会決定要因についてご講演いただきます。
 コロナ禍を経て、リアルで集う喜びを感じられる学術集会にできればと、準備を重ねて参りました。茨城の魅力を満喫できるような企画も準備しております。2025年9に皆様とつくばで集い、母乳育児について熱く語り合う機会となることを祈念し、私のご挨拶とさせていただきます。