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当番世話人 挨拶
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第27回SNNS研究会学術集会
当番世話人 津川浩一郎
(聖マリアンナ医科大学 乳腺・内分泌外科学)
この度、2025年10月31日(金)・11月1日(土)の2日間、神奈川県川崎市のステーションコンファレンス川崎におきまして、第27回SNNS (Sentinel Node Navigation Surgery) 研究会を開催させて頂きます。このような名誉ある機会を頂きましたことに、名誉代表世話人の愛甲孝先生、代表世話人の竹内裕也先生、ご推薦いただきました世話人(前代表世話人)の井本滋先生をはじめとして、SNNS研究会の皆様に心より御礼申し上げます。
SNNS研究会学術集会は、1999年に第1回が開催されて以来、今年で第27回となります。乳腺外科が主催するのは、2023年に第25回の当番世話人を神野浩光先生が務められてから、2年ぶり6回目です。SNNS研究会は、皮膚科、消化器外科、頭頸部外科、婦人科、泌尿器科、放射線科、病理診断科、形成外科、基礎研究、乳腺外科など、臓器や診療科の枠を超えて、横断的に知識を深められることが大きな特徴です。
センチネルリンパ節生検の実地臨床、保険収載としては、2010年から乳癌、悪性黒色腫、その後黒色腫以外の皮膚悪性腫瘍への適用拡大、そして2024年からの婦人科領域の外陰癌と続いています。一方で、多くの領域で先進医療含む貴重な臨床研究が続けられています。さらに腫瘍の診断方法も形態病理から分子病理へと進歩し、まさにリンパ節転移に関して網羅的に議論するこの研究会は腫瘍外科学の根幹の一つを学ぶことのできる研究会と言えるでしょう。
第27回SNNS研究会では、各領域の新知見を共有いただきすべての診療科の先生方にとって有意義な2日間となるよう、誠心誠意準備したいと存じます。
さて、第27回SNNS研究会の主題は、『未来へのNavigation』とさせていただきました。我々のこの研究会の名称には皆さまご承知の通り、 “Navigation”という言葉が使われています。この名称を知った私は当時、色素やアイソトープなどのトレーサーがリンパ流にのり導かれて行った先にあるセンチネルリンパ節を外科手技として切除する、というなんともロマンチックなネーミングであると感心したものです。
今や “Navigation” という言葉はさらに様々な展開を期待させる時代のKey wordになっていると感じます。人工知能(AI)と結びつき、まさに診断補助、手術補助と我々を助け、導く先端技術が次々と開発されています。センチネルリンパ節生検の分野でも手技を表す言葉からその先、乳癌領域では郭清省略の指標から放射線治療適応の指標、薬物療法の効果判定さらには薬剤の適応判断にも応用と、その意味するところは広がっています。さらに多領域で免疫チェックポイント阻害剤の近年の普及により脚光を浴びる癌免疫ですが、宿主としてのリンパ節と癌、センチネルリンパ節における微小転移の成立など興味は尽きません。我々がさらに未来の医療へと進んでいく案内役、航行術として、 “Navigation” という言葉を主題に選ばせていただきました。
第27回SNNS研究会では、未来志向を持って臓器横断的な観点からSNNSの意義や今後の展開について熟考し知識を深めたいと考えております。
第27回SNNS研究会は、現地開催を予定しています。JR川崎駅直結の会場で皆様をお待ちしております。より多くの先生方にお越しいただけるよう、是非若手の先生方にもお声掛け頂き、引き続きSNNS研究会にご支援、ご協力を賜れますよう何卒よろしくお願い申し上げます。