
大会長挨拶
大会長挨拶

大会長 吉田 千文
第28回聖路加看護学会学術大会 学術大会会長
常磐大学 教授 聖路加国際大学 名誉教授
第28回聖路加看護学会学術大会のメインテーマは「Working Together:協働を探究する」です。
医療・看護を取り巻く社会・システムが複雑化し、人々(多職種のみならず市民を含めて)が互いにコミュニケーションをとりあい、協調しながら活動していくことが必須となっています。また、利害の絡み合う集団や組織が互いを尊重し理解しあうことは、社会の平和と発展のために欠くことができません。共に活動すること、すなわち「協働」の必要性が認識され、臨床や地域、そして地球規模で職業や所属を超えた個人、組織、国レベルの協働の実践がうまれ発展しています。そして協働の方法や効果に関する知見・理論も、看護学を含めた様々な分野で蓄積されてきています。
本学術大会では、これまでの協働に関する科学的知見や優れた実践に含まれる事象をもとに、異なる価値観や考えを持つ人々や集団・組織がWorking Together、協働することについて、改めてその本質を考えたいと思います。そもそも協働は何のためのものか、協働という現象はどのように湧きおこり発展していくのか、そして個人・組織・社会に何をもたらすのか。これらの議論を通して、変化しつづける社会のなかで、これからの看護実践のあり方、看護学研究の課題を考える場としたいと思っています。
特別講演、シンポジウム、パネル・ディスカッション、交流集会、事例検討会、ミニレクチャーなど、様々なプログラムを準備しました。特別講演では看護学はもちろん、社会学、歴史学、国際関係学などの専門家がそれぞれの立場から「協働」にアプローチしてくださいます。シンポジウムでは協働の実践と教育について先駆的な取り組みをもとに議論します。そしてパネルディスカッションでは、療養者の安全と尊厳の両方を守るためにどのように協働すればいいのか、身体拘束について考えます。
学問領域を超えて、皆様が日頃の研究や実践の成果を発表し、議論に加わってくださることをこころよりお待ちしています。
最後になりましたが、本学術大会の開催にあたって、各方面から多大なご支援、ご寄付をいただいています。心より感謝申し上げます。