会長挨拶
第67回日本母性衛生学会 総会・学術集会
会長 越山 雅文
滋賀県立大学人間看護学部 大学院教授
この度、2026年10月9日(金)、10日(土)に第67回日本母性衛生学会総会・学術集会を滋賀県大津市民会館ならびに琵琶湖ホテルにて開催する運びとなりました。今回が第67回となりますが、滋賀県で開催されるのは初めてとなります。
本学術集会のテーマは「琵琶湖からみんなに届け 生涯健康」です。日本において、65 歳以上の高齢者人口が令和6年度の段階で3,625 万人と総人口の29.3%に当たり、過去最高を更新しています。一方で、令和5年度の国民医療費は48.0兆円と、前年度に比べ2.7%の増加となっており、この先も1~3%増加していくことが予想され、医療費問題が私たちに重くのしかかってきます。老後の年金支給も多くを望めず、物価高も相まって、急性・慢性疾患を問わず、通院および入院医療費用の不安も増していく近未来図です。
そこで、本学術集会では今までと少し視点を変え、女性が「いかに長く生きる」かではなく、「いかに生涯健康に生きる」かについて考える場にしたいと考えています。女性のライフステージ、すなわち胎児期~思春期、妊娠・分娩期を含む性成熟期、更年期、老年期の全てのステージを通じ、女性が病に陥らないために、「自分の身体は自分で守る」といったセルフ・ヘルスケアの発想が必要になってくると考えます。そのための予防教育、食事(栄養学)や生活習慣、周産期における健康維持・増進、がんを含む疾病の早い段階の診断法と早い対処法にフォーカスを当て、専門の先生方の招聘講演、シンポジウム、市民公開講座を通して、皆様と一緒に私たちが健康で快適に生きて行くための術を学びたいと思います。